前回の記事では、シミが紫外線・摩擦・ホルモンバランス・生活習慣など、複数の原因が積み重なって生まれるものであり、ターンオーバーの乱れによってメラニンが肌に留まりやすくなることをご紹介しました。

では、そうした肌に対して、なぜ「プラズマ」というアプローチが選ばれているのでしょうか。今回は、プラズマ美顔器の技術的な背景と、「表面改質」という考え方から解説します。
そもそもプラズマとは何か

プラズマとは、気体に高いエネルギーを加えることで生まれる、固体・液体・気体に続く「第4の状態」のことです。蛍光灯やネオンサインの発光にもプラズマが利用されているように、身近な技術のひとつでもあります。
美容分野で使用されるプラズマ美顔器の多くは、大気圧下で発生させる「大気圧プラズマ」を採用しており、照射時の温度を比較的低く抑えられる設計になっています。当サロンで導入しているシミプラズマネオも、大気圧プラズマ研究を専門とする東京工業大学・沖野晃俊先生監修のもと開発されています。
シミプラズマネオの仕組みを簡単に説明すると、ハンドピースの先端から発せられる高電圧により、皮膚との間にごく微細な放電が起こります。この放電によって光る現象がプラズマであり、その中には「活性種」と呼ばれる反応性の高い粒子が生まれます。空気中で放電が起こる際にはオゾンなどが生成されやすく、これが殺菌・洗浄作用のもとになっているとされています。
「表面改質」という考え方
プラズマ技術は、実は美容分野だけのものではありません。半導体の製造工程や医療機器の洗浄・滅菌、印刷・接着分野など、さまざまな産業分野で「物質の表面の状態を変化させる」技術として活用されています。この、物の表面の性質を変化させる働きを「表面改質」と呼びます。
肌に対しても同様の考え方が応用されており、プラズマには肌表面の微細な汚れや古い角質などに働きかける洗浄作用があるとされています。肌表面のコンディションを整えることで、なめらかで清潔な状態へと導くアプローチです。
シミが気になる肌との相性
前回の記事で触れたとおり、シミが気になる肌の背景には「ターンオーバーが乱れ、古い角質やメラニンが肌表面に留まりやすくなっている」という状態があります。
プラズマによる肌表面へのアプローチは、こうした「肌表面に溜まりやすい古い角質」に働きかけるという考え方に基づいています。肌表面のコンディションを整えることで、すこやかな肌のリズムをサポートする土台づくりとして期待されているのが、プラズマケアの位置づけです。
※メラニンそのものを分解・除去する医療的な作用ではなく、肌表面のコンディションを整える美容的なアプローチである点にご留意ください。効果の感じ方には個人差があります。
シミケア専用ヘッドによるピンポイントアプローチ
シミプラズマネオには、顔全体に照射する「プラズマシャワー」に加えて、気になる部分にピンポイントで照射できる極細の「シミケア専用ヘッド」が搭載されています。
シミは肌全体に均一にできるものではなく、頬骨まわりや目もとなど、部分的に目立ちやすいという特徴があります。広範囲へのアプローチと部分的なアプローチを1台で使い分けられる点は、シミが気になる肌への向き合い方として理にかなった設計といえます。
パックとの同時施術で変わる「活性種」という考え方
プラズマの興味深い特徴のひとつに、「何もない状態の肌に当てた場合」と「特定の成分を塗布した肌に当てた場合」とで、生まれる活性種の種類が変化するという性質があります。
シミプラズマネオの開発元であるDr.Viseaと、監修を務める東京工業大学・沖野先生の研究では、炭酸パック・水素パックを塗布した状態でプラズマを照射する技術について特許を取得しています。パックの成分にプラズマを反応させることで、何も塗布しない状態とは異なる活性種が生まれ、それぞれ異なる働きが期待できるとされています。
- 炭酸パック × プラズマ:二酸化炭素に関連した活性種が生まれ、肌の生まれ変わりのサポートや、殺菌力の高まりが期待できるとされています。実験では、プラズマのみの場合に比べて殺菌までの時間が大幅に短縮されたという報告もあります。
- 水素パック × プラズマ:水素に関連した活性種(水素ラジカル)が生まれ、酸化に対する還元的な働きが期待できるとされています。肌の酸化は、肌老化や肌トラブルの一因ともいわれているため、そのケアとしての側面が注目されています。
パックを併用しない「空気×プラズマ」の状態でも洗浄・殺菌の作用は期待できますが、成分を組み合わせることで、目的に応じたアプローチの幅が広がる点が、この特許技術のポイントです。
※パックとの併用による効果には個人差があります。特定の疾患の治療や医薬品的な効能を保証するものではなく、美容目的のケアとしてご案内しています。[当サロンでの取り扱い状況・メニュー詳細に応じて記載を調整してください]
セルフケアとの違い
紫外線対策や摩擦を避けるといった日々のセルフケアは、これから先の肌への「予防」としての役割が中心です。一方でプラズマケアは、専用の機器を使ってサロンで施術を受ける「専門的なアプローチ」として位置づけられます。
どちらか一方だけで十分というわけではなく、日々のセルフケアと、専門的なケアを組み合わせて取り入れることが、肌のコンディションを整えるうえで大切な視点です。
まとめ
プラズマは、半導体や医療分野でも活用されている「表面改質」という技術を応用し、肌表面のコンディションを整えるアプローチです。ターンオーバーの乱れによって古い角質やメラニンが留まりやすくなった肌に対して、専用ヘッドによるピンポイントケアも組み合わせながらアプローチできる点が、シミが気になる肌にプラズマケアが選ばれている理由のひとつです。
さらに、炭酸パックや水素パックといった成分と組み合わせることで生まれる活性種の違いを活かした特許技術も登場しており、目的に応じてアプローチの幅を広げられる点も、プラズマケアが選ばれる理由のひとつといえます。
シミプラズマネオの機能や施術の流れについては、「シミプラズマネオとは」の記事で詳しくご紹介しています。


